あんしぇんぬのブログ

古いことを意味するフランス語のancienne 。流行には敏感じゃないけど、こだわりは強いaround fifty。ブログ内ではアーティストの敬称は略させていただきます。

Teddy Randazzo ―― 作曲家・プロデューサー


Hurt So Bad - Linda Ronstadt

高校時代にヒットし、ともに女性シンガーが歌う、ある2曲について書きたいと思います。当時、聴いた途端に好きになって、レコードを買い求め、今でも特別な思い入れのある曲です。ともにカバー曲です。

ひとつは 

Linda Ronstadt の " Hurt So Bad (涙がいっぱい)"  

( Teddy Randazzo / Bobby Weinstein / Bobby Hart ) ―1980年5月8位

もうひとつは

 Deniece Williams の " It's Gonna Take A Miracle (ゴナ テイク ミラクル) "

( Teddy randazzo / Bobby Weinstein / Lou Stallman ) ―1982年6月6位


Deniece Williams - It's Gonna Take a Miracle (Video)

作家のクレジットはよく見る習慣があったのですが、なにぶん、情報化社会ではなかったので、Teddy Randazzoという名前に関しては、なんかよく見る名前だな、ぐらいで済ますしかなく、イタリア系の綴りが読めなくて、勝手にテディランダゾーとか読んでいたぐらいです。

それから10年以上経ってからのことです。この2曲のつながりを知り、震えるような驚きを感じたのは。そしてこれらを結び付ける作曲家の名前を、テディランダッツォと読むことを知ったのは。

私の洋楽の師である山下達郎がサンデーソングブックというFM番組をもっています。忙しくてあまり聞いてなかったのですが、たまたま聞いた日に、この人の特集をやっていたのです。この時初めてどんな人物なのかを知ったのです。

Teddy Randazzoという人は、もともとソロアーティストで、60年代には The Imperials や Royalettes 、70年代に入ると The Manhattans などのプロデュースをしていました。 達郎先生によると、多作家の割に、ヒット曲は少ないようで、同時代の Burt Bacharach に対してマイナーな存在だったと仰ってました。2003年没。

*It's gonna  take a miracle / The Royalettes (前述のオリジナル) ― 1965年

*Hurt so bad / The Little Anthonttay and The Imperials (前述のオリジナル) ― 1964年

Goin' out of my head / The Little Anthony and The Imperials ― 1964年

以上3曲が一般的には有名だと思います。非常に多くのカバーも存在しますが、オリジナルのアレンジ素晴らしいです。

公式のものではないですが、YouTube貼り付けておきます。


Royalettes - It's Gonna Take A Miracle


Little Anthony and The Imperials Hurt So Bad


Little Anthony & the Imperials "Goin' Out of My Head"

30数年前、時代を越えて、形を変えて受け継がれた、優れた音楽家の楽曲に、期せずして、知らずして私は惹きつけられました。あの時の感覚は今も私の中に変わらず息づいています。長い年月私の身体に宿っているこの感性を、私は大切にしていきたいと思うのです。

音楽の聴きかた 今昔

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僅かながら残っていたFMステーション


 

 

三年程前からスマホを持つようになり、子どもに勧められアプリを使ってyoutubeの音楽を楽しむようになりました。

この手軽さ。若かりし頃、あんなに苦労して音楽を聴いていたのは、いったいなんだったのだろう...

 

時は1980年。私は高校の入学祝いにテクニクスの大きなステレオを買ってもらい、(昔のオーディオ製品はみな大きかった)ロックやポップス、R&Bを聴き始めました。

当時のお小遣いは五千円。

LPレコードの国内盤はほぼ二千五百円だったので、月に一枚しか買えませんでした。

レンタル店もまだなかったのであとはFM放送のエアチェックが頼みの綱でした。

 

私と同年代の方はFMステーション覚えてらっしゃるでしょうか?

そうです、鈴木英人さんのイラストが表紙のFM雑誌です。

真っ青な空にアメ車にパームツリー、西海岸風のイラストがかっこ良かった...

あのころのFMはよく、LPをまるまる流してくれたんです。アナウンスかぶることなく。

ですから、FM番組表を入念にチェックして聴きたいレコードかけてくれるか調べます。そして慎重にタイミングを見計らってカセットテープに録音して聴くというわけです。

 

FMの他に聴いたのがFENです。米軍極東放送の略称で現在はAFNに名称変更しています。

内容もだいぶ変わってしまいましたが、土曜の午後はTop40というのは、相変わらずです。

前述のFMステーションにTop100のランキング表が綴じられていて、これを見ながら「今かかっているのはどの曲だろう?」と、つたないリスニング力でTop40を聴きました。

あとは、小林克也さんのベストヒットUSAかな。

こんな感じでエネルギーをずいぶん使って音楽を聴いていました。

 

時代は移り変わって、ウォークマンやCDやMDが出てきて音楽を聴くスタイルもだんだん変化していきましたが、三年前からの劇的な変化はいわばカルチャーショックです。世の中ってこんな事になってたんだ!と

もうジョン万次郎状態です。

iTunesで視聴はできるし、youtubeで新旧の世界中の音楽がなんでも聴けるんですから(なんでも聴けるわけじゃないけど)。

昔は得られる情報も微々たるものだったけれど、今は指一本でかなり色々と調べられます。本当に便利な時代になったなと思います。